外壁・屋根に塗装する塗料ってどれくらいもつのかな?
塗料ってたくさん種類があるけど、どうやって考えたらいいのかな?
塗料の耐用年数って何?
こんな疑問についてお答えします。
外壁塗装の耐用年数とは何なのか
耐用年数の定義とは
耐用年数とは、
「塗装した日から、チョーキングやヒビ割れなどの劣化症状が発生するまでの期間」
「使える予定年数」
のことです。
つまり、限りがあるということになります。
外壁塗装の耐用年数の目安は使用する塗料によって異なる
塗料の耐用年数は大体6年〜20年程度で使用する塗料により決まります。
耐用年数に違いが出るのは、塗料の種類・グレードによるものです。
塗料はグレードごとに耐用年数が異なる
塗料のグレード別・耐用年数一覧
樹脂
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特徴
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耐久年数・耐用年数
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アクリル
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紫外線の当たらない天井などによく使用、安い塗料
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5-8年程度
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ウレタン
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一昔まえは主流で比較的良質な塗料、悪くないです
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7-9年程度
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シリコン
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最近の主流で比較的安くなっている塗料、耐久性とコスパ最強
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813年程度
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ラジカル
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シリコン基材のスグレモノ シリコンの次にコレが主流になりつつあります
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8-15年程度
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フッ素
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値段が高い材料、コスパは悪い 耐久性すごいが他の箇所とのバランスが必要
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15-19年程度
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※耐久年数・耐用年数はあくまでも目安です。塗料メーカーなどが発表しているものを参考にしてます。
耐用年数が分からない塗料の方が多い
フッ素樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料といった人気の塗料に関しては三大・大手塗料メーカーなどたくさんの塗料メーカーが作っているため、一般的に言われる耐用年数もほぼ正確と言えるでしょう。
作っているメーカーが少ない塗料に関しては、そのメーカーが耐用年数を設定しているということなので具体的にはっきりとは分からないということになります。
耐用年数は実際の家で試験された数値ではない?
実際に塗料の年数を調べる方法としてどのような方法があるのでしょうか?
ほとんどの塗料メーカーでは「促進耐候性試験機」という機械で、塗料の耐久性や耐用年数を検証することができます。
この試験機では、擬似的に紫外線や暴風を再現することができ、塗装の耐久性や劣化具合を確かめることができます。
ただし、実際の自然環境下でのテストではないので、現実とは違う結果が出ることもありえます。そういうこともあるので、塗料の耐用年数は目安として考える必要があります。
外壁材と相性の良い塗料は耐用年数も長い
外壁材と塗料には実は相性があります。
とても良い塗料であっても壁の素材との相性が悪いならば、素材の持つ効果が十分に発揮されず、塗料が剥がれやすくなるなどの問題が出てくることがあります。
外壁材と相性の良い塗料を使うなら、長持ちさせることができるでしょう。
事前に塗料の知識をある程度入れておくことも、業者との話し合いの際に有利です。
外壁塗装の耐用年数はあくまで「目安」である
塗料メーカーは、パンフレットに各塗料の耐用年数を記載しています。
しかし、実際には数年ほど前後する場合があります。「絶対に〜年は劣化しない」とは断言できないということです。
施工ルールを守らなければ耐用年数は短くなる
塗装をする前の下準備はとても重要です。
壁面に付着しているホコリやサビ、旧塗膜から出た顔料、コケなどを高圧洗浄で洗い落としたりして、外壁の状態を整える作業を行う稼働下で、耐用年数は違ってきます。
塗装をする前にキレイに汚れを落とさないと、塗料がすぐに捲れたり剥がれたり、またしっかりとなじまず劣化症状が起こることもあります。
外壁塗装の耐用年数を外壁の部位ごとにチェック
外壁材の耐用年数がこんな感じ
木質系サイディンボード
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40年
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窯業系サイディングボード
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40年
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樹脂系サイディングボード
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40年
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金属系サイディングボード
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40年
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タイル
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40年
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モルタル
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30年
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ALCボード
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60年
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シーリング(コーキング)の耐用年数
シーリング材にもいろんな種類があります。
それぞれの特徴や耐用年数にも違いがあります。また、環境や立地条件によっても差が出ることもあるでしょう。
ザックリいうなら、シリコン系 約10年 ウレタン系 約 5年〜10年程アクリル系 約5年程。
防水工事の耐用年数
耐用年数は材料や環境によって大きく違いも出てきます。基本的な防水工事の4つを見ていきます。
①ウレタン防水 約10年〜15年
②FRP防水 約10年
③シート防水 約10年
④アスファルト防水 約10年〜20年
屋根材の耐用年数
いうまでもなく屋根は家を雨、風から守るという大切な役割があります。
「雨漏りがしないから大丈夫!」と油断していると後々もっと面倒なことになりかねません。
寿命があるということを意識しておくことが必要です。
実際のところ、屋根にはたくさんの種類があり、屋根材によっても耐用年数が違ってきます。
屋根の種類 | 耐用年数 | メンテナンス周期 |
スレート屋根 | 20〜25年 | 10年 |
日本瓦 | 50〜80年 | 20〜30年 |
トタン屋根 | 10〜20年 | 7〜10年 |
ガルバリウム鋼板 | 20〜30年 | 15〜20年 |
アスファルトシングル | 20〜30年 | 10年 |
外壁塗装の耐用年数を過ぎているか判別する方法
外壁塗装は築10年ごろが目安だといいわれています。
主な劣化症状として…
チョーキング現象
コケやカビ
外壁、シーリングのひび割れ変色
といった劣化症状が出ていないかどうかをチェックしてみましょう。
自分でできる!塗料以外で建物を長持ちさせる外壁塗装のケア方法
塗料の性能で建物をより長くよい状態を保つために、するとしないでは数年後に差が出るケア方法を紹介します。
長年いろいろな物を放置しがちなベランダの中などが効果的ですね。
外壁・ベランダの周囲のケア カビ、藻の対策
通気性
外壁の周辺を常に通気性の良い状態、風通しをよくしておくことは大切です。
カビやコケの発生を防ぐために、出来るだけ外壁周辺に物を置かないように心がけましょう。
ベランダの中は特に。
水洗い
雨風にさらされる外壁にはどうしても汚れが目立ってきてしまいます。
柔らかいブラシやスポンジで軽くこすりながら、 水洗いしましょう。
(強く擦りすぎると塗装の劣化になりかねないので、丁寧に優しく)
実は、国税庁も外壁塗装の法定耐用年数を発表しているのです!
国税庁による外壁塗装の法定耐用年数
国税庁が発表している耐用年数というのは、減価償却資産の耐用年数のことを言います。
こうした法的耐用年数を理解しているなら、減価償却として税金負担の対策にもなります。
メモ
法定耐用年
数国税庁が発表しているもので、実際の建物の物理的な寿命を考えたうえで、法律に基づいて定められた資産の減価償却期間の目安となる年数のことをいいます。なお、建物の種類や用途によって法定年数が異なります。
外壁塗装の法定耐用年数と税務上の処理方法
この「法定耐用年数」とは何のことでしょうか?
これは、資産の種類や構造、用途によって固定資産に定められた税務上の耐用年数のことです。外壁塗装には法定耐用年数が設定されていません。
建物の種類や用途によって法定年数が決まります。
税務上は「修繕費」か「資本的支出」かによって異なる
目的によって、「修繕費」として一括で計上するか、「資本的支出」として償却期間の間計上することになります。
具体的には、資産の原状回復・維持のための修理の場合は「修繕費」、建物の価値や性能、耐久性を向上させることを目的とする場合は「資本的支出」となります。
外壁塗装の費用は、基本的には経費計上できますが、塗装の目的によっては修繕費として認められないケースもありますので、注意が必要です。